マトン肉とは|特徴・味わい・栄養・調理法を食肉専門店がまとめて解説

マトン肉とは|特徴・味わい・栄養・調理法を食肉専門店がまとめて解説

「マトン肉」という言葉を聞いたことはあっても、実際にどんな肉なのか、どう調理すればいいのかをきちんと把握している人は意外と少ないかもしれません。ジンギスカンや羊肉料理に興味を持つにつれて、「マトンとラムの違いは?」「マトンはクセが強いって本当?」といった疑問が浮かんでくることもあるでしょう。

この記事では、岩手県遠野市でジンギスカン専門の食肉店を営む立場から、マトン肉の定義・特徴・栄養・調理法まで、実用的な情報を体系的に整理してお伝えします。

マトン肉とは何か

マトン(mutton)とは、生後2年以上の成熟した羊の肉を指します。羊肉は月齢によって名称が区分されており、一般的には生後1年未満がラム(lamb)、生後1〜2年程度がホゲット(hogget)、生後2年以上がマトンとされています。

マトンという言葉はもともと英語圏で使われてきた分類で、日本には主にジンギスカン文化とともに広まりました。成熟した羊から得られる肉であるため、筋肉がしっかり発達しており、肉自体の密度と風味が高いのが特徴です。

マトン肉の特徴:味・食感・見た目

色と見た目

マトンの肉色は、ラム肉と比べて明らかに赤みが強く、深い赤色をしています。これは筋肉中のミオグロビンという色素タンパク質が、月齢を重ねるにつれて増加するためです。脂肪は白みがかっており、肉と脂の色のコントラストがはっきりしているのが目安になります。

味と香り

マトン最大の特徴は、その独特の風味(いわゆる「羊臭さ」)です。この風味の正体は、羊の脂肪に含まれる4-メチルオクタン酸などの脂肪酸で、成熟した羊ほど蓄積量が多くなります。これをクセと感じるか、深みと感じるかは人によって異なりますが、羊肉を好む方の多くはこの風味そのものを楽しんでいます。

また、肉の旨味そのものはラムより強い傾向があります。成長の過程でアミノ酸やイノシン酸が蓄積されるため、噛むほどに深い味わいが出てくるのがマトンの醍醐味です。

食感

ラムに比べると筋繊維がしっかりしているため、噛みごたえのある食感が得られます。適切に調理すれば決して硬くはなりませんが、短時間の加熱では繊維が締まりやすいため、調理法の選択が重要です。

マトン肉の栄養素

マトンは栄養面でも注目できる食材です。以下に主な栄養素をまとめます。

  • タンパク質:100gあたり約20g前後と、筋肉の維持・合成に役立つ良質なタンパク質を含みます。
  • 鉄分:ヘム鉄を豊富に含み、吸収率が高いため貧血対策として有効です。赤みが強いほど鉄分も多い傾向があります。
  • 亜鉛:免疫機能や味覚の維持に関わる亜鉛も含有しています。
  • L-カルニチン:羊肉全般に多く含まれる成分で、体内の脂肪代謝をサポートすることで知られています。マトンはラムと同様にこの成分を豊富に含みます。
  • ビタミンB群:B12やナイアシンなど、エネルギー代謝に関わるビタミンB群も含まれています。

脂質はラムより少なめの傾向があり、赤身の割合が高いことから、カロリーを抑えながら栄養を摂りたい方にも適した食材です。

マトン肉の主な調理法

ジンギスカン

日本でマトンが最もよく使われるのは、やはりジンギスカンです。北海道や岩手県遠野市などで親しまれているこの料理では、マトンを専用のタレに漬け込んだ「味付きマトン」として提供されることが多く、独特の風味をタレと野菜が引き立てる形で楽しまれています。

漬けタレにはしょうゆ・りんご・にんにく・しょうがなどが使われることが多く、風味をやわらげながらも肉の旨味を引き出す効果があります。遠野のジンギスカン文化においても、マトンは長年にわたって地域の食卓に根付いてきた食材です。

煮込み料理

マトンは長時間の加熱に向いており、カレーやシチューなどの煮込み料理で真価を発揮します。じっくり煮ることで筋繊維がほぐれ、肉のコクと旨味がスープ全体に溶け出します。インドや中東の羊肉料理でもマトンが主役として使われることが多く、スパイスとの相性が特に良い食材です。

漬け込んでからのグリル・焼き

風味が気になる場合は、ヨーグルト・ハーブ・スパイスなどに漬け込んでからグリルする方法が有効です。乳酸菌の働きで肉の繊維がほぐれ、食べやすくなります。ローズマリーやクミンなどのハーブ・スパイスは風味のマスキング効果もあるため、マトン初心者にも取り入れやすい調理法です。

マトン肉を選ぶ際のポイント

  • 色を確認する:鮮やかな赤色で、くすみや変色がないものが新鮮です。
  • 脂の色を見る:白〜乳白色の脂が理想的です。黄みがかっている場合は鮮度や品質が落ちている可能性があります。
  • 産地を確認する:オーストラリア産・ニュージーランド産・国産など、産地によって風味や脂質に違いがあります。好みに合わせて選んでみましょう。
  • 用途に合わせた部位を選ぶ:ジンギスカンにはロースやもも、煮込みにはすね肉やバラ肉が向いています。

まとめ

マトン肉とは、生後2年以上の成熟した羊の肉であり、深い赤色・豊かな旨味・独特の風味が特徴です。ラムと比べて風味は強めですが、その分だけ肉としての存在感と満足感があります。栄養面でも鉄分・L-カルニチン・良質なタンパク質を含む優れた食材であり、ジンギスカン・煮込み・グリルなど多彩な調理法で楽しめます。

「じんぎすかん あんべ」では、マトンを使ったジンギスカン用の食肉を取り扱っています。遠野の食文化に育まれた羊肉の魅力を、ぜひ一度ご自宅の食卓でも体感してみてください。

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