ラム肉のフライパンでの焼き方|手順・火加減・仕上げのコツを食肉専門店が解説

ラム肉をフライパンで焼くとき、「なんとなく火を通したら硬くなった」「臭みが気になった」という経験はないでしょうか。ラム肉はコツさえ押さえれば、フライパン一つで柔らかくジューシーに仕上げることができます。この記事では、岩手県遠野市で羊肉を専門に扱う「じんぎすかん あんべ」が、下準備から焼き上げまでの手順を順を追って解説します。

フライパンで焼く前に知っておきたいこと

ラム肉の特性を理解する

ラム肉は生後12ヶ月未満の子羊の肉です。マトン(生後2年以上)と比べて脂肪の融点が低く、加熱しすぎると脂が抜けて硬くなりやすい傾向があります。一方で、適切な火加減であれば短時間で柔らかく仕上がるのがラム肉の特長です。フライパン調理では「高温・短時間」を基本姿勢として覚えておくとよいでしょう。

スライスの厚さを確認する

フライパンで焼く際、肉の厚さによって火加減と焼き時間が大きく変わります。ジンギスカン用に薄くスライスされたもの(厚さ2〜3mm程度)と、ステーキ用の厚切り(15mm以上)では焼き方の考え方が異なります。購入したラム肉がどのカットかを確認してから調理に入ることが、失敗を防ぐ第一歩です。

焼く前の下準備

冷蔵庫から出して常温に戻す

冷蔵保存していたラム肉は、焼く20〜30分前に冷蔵庫から取り出し、常温に戻しておきます。冷えたまま焼くと表面だけが先に焼け、中心まで均一に火が入りにくくなります。ただし、夏場など室温が高い環境では衛生面を考慮し、取り出す時間を短めに調整してください。

水分をしっかり拭き取る

肉の表面に余分な水分が残っていると、フライパンに入れた瞬間に温度が下がり、蒸し焼き状態になって旨味が逃げやすくなります。キッチンペーパーで表面の水分を軽く拭き取ってから焼くと、表面に香ばしい焼き色がつきやすくなります。

塩・こしょうのタイミング

シンプルに塩・こしょうで食べる場合、塩を振るのは焼く直前がおすすめです。塩を早くに振りすぎると浸透圧で肉の内部から水分が出てしまい、パサつきの原因になります。薄切り肉の場合は焼いた後に塩を振る方法も有効です。

フライパンでのラム肉の焼き方:基本手順

薄切りラム肉(ジンギスカン用スライスなど)の焼き方

薄切りのラム肉は、強火で一気に仕上げるのが基本です。以下の手順で進めてください。

  • フライパンを強火で1〜2分しっかり予熱する。煙が少し出始める程度まで加熱してから油を引く。
  • 油はサラダ油やごま油を薄く引く程度でよい。ラム肉自体に脂があるため入れすぎに注意する。
  • 肉を重ならないように広げて並べ、片面30〜40秒焼く。
  • 表面の色が変わり始めたら裏返し、さらに20〜30秒焼いて取り出す。
  • 焼きすぎると硬くなるため、全体に火が通った時点ですぐに皿へ移す。

野菜と一緒に炒める場合は、野菜を先に炒めておき、肉を後から加えて仕上げると全体的な火の通りがそろいます。

厚切りラム肉(ラムチョップ・ステーキ用)の焼き方

厚切り肉は「強火で表面を固め、余熱で中心に火を入れる」方法が適しています。

  • フライパンを強火で十分に予熱し、油を薄く引く。
  • 肉を置き、触らずに1〜2分焼いて表面に焼き色をつける。
  • 裏返して同様に1〜2分焼く。骨付きのラムチョップは骨の周囲も立てながら焼くと均一に仕上がる。
  • 表面に焼き色がついたら火を中火〜弱火に落とし、フタをして1〜2分蒸らすように加熱する。
  • フライパンから取り出し、アルミホイルで包んで3〜5分休ませる。この「レスト」が肉汁を落ち着かせ、切ったときの旨味の流出を防ぐ。

仕上がりをよくするための3つのポイント

①フライパンの予熱を十分に行う

予熱が不十分なフライパンに肉を入れると、表面がじんわりと加熱されてしまい、香ばしい焼き色がつかず旨味が逃げやすくなります。「肉を置いたときにジュッという音がするか」を確認してから入れるのが目安です。テフロン加工のフライパンの場合、空焚きは劣化の原因になるため、強火での加熱時間は1分程度を目安にしてください。

②一度に大量に焼かない

フライパンに肉を詰め込みすぎると、フライパンの温度が急激に下がり、焼くのではなく蒸す状態になってしまいます。フライパンの面積に対して余裕を持って並べ、2回に分けて焼くほうが仕上がりは良くなります。

③焼きすぎない

ラム肉は加熱しすぎると急速に硬くなり、脂が抜けてパサつきます。薄切り肉であれば色が変わった時点、厚切り肉であれば中心温度が60〜65℃程度(ミディアムレア〜ミディアム)で取り出すのが、柔らかさと安全性のバランスとしてよく選ばれる目安です。ただし、お子様や免疫力が低下している方には、中心部まで十分に加熱することをおすすめします。

臭みが気になる場合の対処法

ラム肉特有の香りが気になる場合は、以下の方法が参考になります。

  • ヨーグルトや牛乳に30分〜1時間漬ける:乳酸が肉の臭みを和らげる効果があるとされています。
  • にんにく・しょうがと合わせる:みじん切りや薄切りにしてフライパンで先に炒め、香りを出してから肉を焼く。
  • ローズマリーなどのハーブを使う:焼くときにフライパンに一緒に入れると、ハーブの香りが肉に移る。

なお、良質なラム肉は過度な臭みが少ない傾向があります。肉の鮮度や産地・品質も仕上がりに影響するため、信頼できる販売元から購入することも大切なポイントです。

まとめ

ラム肉をフライパンで美味しく焼くためのポイントをまとめると、「常温に戻す・水分を拭く・十分に予熱したフライパンで短時間・高温で焼く・焼きすぎない」の5点に集約されます。薄切り肉は片面30〜40秒、厚切り肉は表面を焼き固めてから弱火で仕上げ、最後に必ず休ませることを意識してください。

「じんぎすかん あんべ」では、岩手県遠野市で羊肉の販売・通販を行っています。ご自宅でのラム肉料理に興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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