マトンとは?年齢・味・栄養まで食肉専門店がわかりやすく解説

「マトン」という言葉を耳にしたことはあっても、実際にどのような肉なのか、ラムとどう違うのかを正確に説明できる方は多くないかもしれません。羊肉を扱う食肉専門店として、マトンの基本的な定義から味の特徴、栄養面のポイント、そしておすすめの調理法まで、順を追って解説します。
マトンとは:定義と年齢による分類
マトン(mutton)とは、生後2年以上の成熟した羊の食肉を指す言葉です。英語圏では古くから一般的に使われてきた用語で、日本でも主にジンギスカンや中東・中央アジア料理の文脈で知られるようになりました。
羊の食肉は、と畜時の月齢によって大きく3つに分類されるのが一般的です。
- ラム(lamb):生後12か月未満の子羊の肉
- ホゲット(hogget):生後12か月以上2年未満の羊の肉(流通量は少なめ)
- マトン(mutton):生後2年以上の成熟した羊の肉
日本国内の食品表示では「ラム」と「マトン」の2区分で表示されることがほとんどで、ホゲットはマトンに含めて扱われるケースが多く見られます。購入時に月齢の目安を知りたい場合は、販売店に確認するのが確実です。
マトンの味・風味の特徴
マトンを語るうえで欠かせないのが、その独特の風味です。羊肉特有のにおいは「ラム臭」や「マトン臭」と呼ばれることがあり、好みが分かれる要素でもあります。この風味の主な原因物質として、4-メチルオクタン酸や4-エチルオクタン酸などの分岐鎖脂肪酸が挙げられています。これらは羊の皮下脂肪や筋間脂肪に含まれており、月齢が上がるほど蓄積量が増える傾向があります。
一方で、マトンにはラムにはない深みのある旨味があります。筋肉をよく使った成熟した肉は繊維がしっかりしており、噛むほどに肉の旨味が感じられます。羊肉文化が根付く中央アジアや中東、北アフリカなどの地域では、この複雑な風味こそがマトンの魅力とされており、長時間の煮込みやスパイスと組み合わせる調理が発達してきました。
風味が気になる方へ:においを和らげるポイント
マトンの風味が強く感じられる場合、以下の方法である程度和らげることができます。
- 調理前に牛乳や塩水に浸ける(30分〜1時間程度)
- 生姜・にんにく・ハーブ類(ローズマリー、タイム、クミンなど)でマリネする
- 脂身を適度にトリミングする(風味成分が脂に多く含まれるため)
- 強火で表面を素早く焼き上げることで余分な脂を落とす
マトンの栄養面の特徴
マトンは栄養価の高い食肉のひとつです。食肉専門店として特に注目している成分をご紹介します。
たんぱく質と鉄分
マトンは良質な動物性たんぱく質を豊富に含みます。また、鉄分についてはヘム鉄の形で含まれており、植物性食品に含まれる非ヘム鉄と比べて体内への吸収率が高いとされています。貧血が気になる方や鉄分摂取を意識している方にとって、羊肉は選択肢のひとつになり得ます。
L-カルニチン
羊肉、特にマトンにはL-カルニチンが比較的多く含まれているとされています。L-カルニチンは脂肪酸をミトコンドリアへ運搬するアミノ酸の一種で、エネルギー代謝に関わる成分として知られています。牛肉や豚肉と比較しても羊肉のL-カルニチン含有量は高い水準にあるとする研究データが報告されています。
脂質の特性
羊の脂肪は牛や豚の脂肪と比べて融点が高いという特徴があります。これはマトンの脂が冷えると固まりやすい理由でもあり、熱いうちにいただくことが美味しく食べるうえで大切なポイントです。ジンギスカンを熱した鍋で食べるスタイルは、この脂の性質とも相性が良いと言えます。
マトンに向いている調理法
成熟した肉質を持つマトンは、調理法の選択によって仕上がりが大きく変わります。
ジンギスカン(焼き)
北海道や岩手県遠野市をはじめ、日本国内でマトンが最もよく食べられる調理法のひとつがジンギスカンです。薄くスライスしたマトンを専用の鍋や網で焼き、タレに絡めて食べるスタイルは、マトンの風味をダイレクトに楽しめます。遠野エリアでは醤油ベースのタレで食べる文化が長く受け継がれており、マトンの旨味とタレの相性が地域の食文化として根付いています。
煮込み料理
マトンは長時間の加熱に向いており、スロークッカーや圧力鍋を使った煮込み料理で本領を発揮します。インドのカレー(マトンカレー)やモロッコのタジン鍋など、世界各地の伝統料理にマトンの煮込みが登場するのは、この肉質の特性をよく理解した結果と言えます。スパイスや香味野菜と長時間一緒に加熱することで、独特の風味が旨味へと昇華します。
漬け込み(マリネ)焼き
ヨーグルトやスパイスに数時間漬け込んでからオーブンやグリルで焼く方法も、マトンの調理として広く行われています。漬け込みにより肉が柔らかくなり、においも和らぐため、マトン初心者の方にも比較的食べやすい仕上がりになります。
まとめ:マトンはその個性を活かした食べ方が大切
マトンとは生後2年以上の成熟した羊の肉であり、ラムとは月齢・味・栄養構成においていくつかの違いがあります。独特の風味を「くせが強い」と感じる方がいる一方で、その深い旨味こそを魅力とするファンも多くいます。調理法やタレ、スパイスの選択によって食べやすさは大きく変わるため、まずは信頼できる食肉専門店で品質の良いマトンを手に入れることが、美味しいマトン体験への第一歩です。
「じんぎすかん あんべ」では、岩手県遠野市の食文化に根ざしたマトンをはじめ、厳選した羊肉を取り扱っています。マトン選びや食べ方についてご不明な点があれば、お気軽にお問い合わせください。
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