ラム肉は何の肉?「動物・月齢・名前の由来」を食肉専門店が体系的に整理

「ラム肉は何の肉なのか」と検索する方の多くは、スーパーやジンギスカン専門店のメニューで目にしたことはあっても、具体的な動物の種類や名前の由来まではよくわからない、という状況にあるのではないでしょうか。本記事では、ラム肉の定義を「動物の種類」「月齢による分類」「名前の由来」という3つの軸から整理し、食卓でラム肉を選ぶ際の判断材料となる知識をお伝えします。

ラム肉は「羊」の肉である

結論から述べると、ラム肉は羊(ひつじ)の肉です。英語では「sheep(シープ)」と呼ばれる家畜の肉であり、牛肉・豚肉・鶏肉と並ぶ世界的な食肉のひとつです。世界全体での羊肉の消費量は、牛肉・豚肉・鶏肉に次ぐ規模とされており、中東・北アフリカ・中央アジア・ヨーロッパなど幅広い地域で日常的に食べられています。日本では豚肉や鶏肉と比べると消費量は少ないものの、北海道や岩手県を中心にジンギスカンという料理を通じて広く親しまれてきた歴史があります。

なぜ「ラム」と呼ばれるのか――名前の由来と月齢の定義

「ラム(lamb)」という言葉は英語で「子羊」を意味します。日本の食肉業界では一般的に、生後12か月未満の羊の肉を「ラム」と定義して販売・流通させています。この月齢の基準は国際的にも広く用いられており、農林水産省や食肉関連団体の資料でも同様の区分が確認できます。

一方、生後12か月以上の羊の肉は「マトン(mutton)」と呼ばれます。同じ羊の肉でも、月齢によって名称が異なる点はよく混同されやすいため、整理しておくことが重要です。

ラム・ホゲット・マトンの3段階

羊肉の月齢区分は、厳密には以下の3段階で分けられます。

  • ラム(lamb):生後12か月未満。脂肪が少なく柔らかい。クセが少ないとされる。
  • ホゲット(hogget):生後12か月以上24か月未満。ラムとマトンの中間的な特徴を持つ。
  • マトン(mutton):生後24か月以上。独特の風味が強く、煮込み料理などに向く。

日本の流通市場では「ホゲット」という区分が表示されることは少なく、「ラム」か「マトン」の二択で販売されているケースがほとんどです。購入時の表示を確認することで、どの月齢の肉かを把握することができます。

ラム肉の見た目と香りの特徴

ラム肉の肉色は薄いピンク色から赤みがかったピンク色で、成熟した牛肉や豚肉よりも全体的に明るい色調を持ちます。脂肪は白く、月齢が若いほど脂肪の融点が低い傾向があります。

「羊肉には独特のにおいがある」と感じる方もいます。これは羊の体脂肪に含まれる4-メチルオクタン酸などの脂肪酸が関与しているとされており、月齢が上がるほど(マトンに近づくほど)この香りが強くなる傾向があります。ラムは月齢が若いため、マトンと比べてこの香りが穏やかであることが多く、羊肉を初めて食べる方にも選ばれやすい理由のひとつになっています。

ラム肉の主な産地と日本への輸入状況

日本で流通するラム肉の多くは、オーストラリア(豪州)とニュージーランド(NZ)から輸入されています。農林水産省の貿易統計によると、羊肉の輸入量に占めるこの2か国の割合は非常に高く、国内で消費される羊肉の大半を占めています。

国産の羊肉については、北海道・岩手県・長野県などで飼育が行われています。流通量は輸入品と比べると少なく、産地直送や専門店での取り扱いが中心となる場合が多いです。国産ラム肉は希少性が高いため、入手できる機会があれば産地や飼育方法を確認してみると、より選びがいが生まれます。

ラム肉が日本で親しまれるようになった背景

日本における羊肉の食文化は、明治時代に北海道で羊の飼育が奨励されたことを一つの起点としています。農業・軍服用の羊毛生産が主な目的でしたが、副産物として羊肉を食べる習慣も生まれ、北海道ではジンギスカンという料理として定着していきました。

岩手県遠野市でも羊の飼育・羊肉食文化の歴史があり、現在も地域の食文化としてジンギスカンが根付いています。遠野市では複数のジンギスカン専門店や食肉販売店がラム肉を取り扱っており、観光客や地元住民に親しまれています。

ラム肉を選ぶときに確認したい3つのポイント

スーパーや専門店でラム肉を購入する際、以下の3点を確認すると選びやすくなります。

  • 「ラム」か「マトン」かの表示:商品ラベルに必ず記載があります。初めて購入する場合はラムを選ぶと香りが穏やかです。
  • 産地の表示:オーストラリア産・ニュージーランド産など、産地によって風味や価格帯が異なります。
  • 部位の名称:肩(ショルダー)・ロース・もも(レッグ)など部位によって食感と適した調理法が変わります。焼き肉・ジンギスカンにはロースやショルダーが使われることが多いです。

まとめ:ラム肉は「生後12か月未満の羊の肉」

ラム肉は羊の肉であり、特に生後12か月未満の子羊の肉を指す言葉です。月齢によってラム・ホゲット・マトンと名称が分かれており、それぞれ肉質や風味の特徴が異なります。日本では主にオーストラリアとニュージーランドから輸入されており、ジンギスカンをはじめとするさまざまな料理で活用されています。

岩手県遠野市の「じんぎすかん あんべ」では、ラム肉・マトンをはじめとする羊肉を専門に取り扱っています。肉選びや調理方法でお困りの点があれば、お気軽にご相談ください。

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