ラムは何肉?「羊」であることの意味と、知っておきたい基礎知識を整理

ラムは何肉?「羊」であることの意味と、知っておきたい基礎知識を整理

「ラム」という言葉をスーパーや焼き肉店のメニューで目にすることは多くなりましたが、「結局、何の肉なの?」と正確には答えられないという方も少なくありません。牛でも豚でも鶏でもない——その正体を、食肉専門店の視点からあらためて整理します。

ラムは「羊」の肉である

結論からお伝えすると、ラム(lamb)は羊の肉です。牛肉・豚肉・鶏肉と並ぶ畜産物のひとつであり、世界的に広く食べられています。日本では焼き肉やジンギスカンで親しまれていますが、中東・中央アジア・ヨーロッパなど羊の飼育が盛んな地域では日常的なタンパク源として長年利用されてきました。

「ラム」という呼び方は英語の「lamb」に由来し、日本語では「仔羊肉」と訳されることもあります。ただし、日本の食品表示において「ラム」という言葉は月齢に基づいた明確な区分として使われており、単に「羊の肉全般」を指すわけではありません。この点については次の章で詳しく説明します。

「ラム」と「マトン」——月齢による違い

羊の肉は、と畜時の月齢によって呼び名が変わります。日本では一般的に以下のように区分されています。

  • ラム(lamb):生後12か月未満の羊の肉
  • マトン(mutton):生後24か月以上の羊の肉

この月齢の基準は、農林水産省が定める食肉に関する表示ルールの考え方に沿ったものです。生後12か月未満の若い羊はまだ乳歯が残っており、肉質はやわらかく、脂肪分も比較的少ないのが特徴です。一方、生後24か月以上になると骨格や筋肉が発達し、肉の繊維がしっかりとして、いわゆる「羊らしい」独特の風味が増してきます。

なお、生後12か月以上24か月未満の羊については「ホゲット(hogget)」と呼ばれることもありますが、日本の市場では「ラム」「マトン」の2分類で流通することが多く、ホゲットとして明示して販売されるケースは多くありません。

ラム肉の主な特徴

においが少なく食べやすい

羊肉と聞くと「においが強い」というイメージを持つ方もいますが、ラムは月齢が若いぶん、においの原因となる成分が少なく抑えられています。羊特有の香りを「クセが強い」と感じる方にとっても、ラムは比較的食べやすい選択肢です。マトンのしっかりとした風味とは対照的に、ラムはクセが穏やかでやわらかい味わいが特徴とされています。

肉質とやわらかさ

生後12か月未満という若い月齢の羊は、筋肉の繊維が細く、加熱しても硬くなりにくい傾向があります。焼き肉やジンギスカンのように強火で短時間加熱する調理法に向いており、さっと焼いただけでやわらかく仕上がります。薄切りにして提供されることが多いのも、こうした肉質を活かすためです。

栄養面での特徴

ラム肉には、鉄分・亜鉛・ビタミンB12などが含まれています。また、羊の体脂肪に含まれる「カルニチン」という成分は、脂肪酸の代謝に関わる物質として知られています。ただし、食品の栄養効果には個人差があり、特定の健康効果を断言するものではありません。

ラム肉の主な産地

日本に流通するラム肉の多くは輸入品です。主な産地としてはオーストラリアとニュージーランドが挙げられます。両国は広大な牧草地を持ち、牧草で育てた羊の生産・輸出において世界的に主要な地位を占めています。

国内産のラム肉も存在しますが、流通量は輸入品に比べて少なく、入手できる場所は限られています。産地によって飼育環境や飼料が異なるため、肉質や風味にも違いが出ることがあります。

日本でのラム肉の食され方

日本でラム肉がもっともよく食べられる料理として挙げられるのがジンギスカンです。ジンギスカンは、専用の鍋や鉄板でラム肉や野菜を焼いて食べる日本発祥の料理で、北海道や岩手県などで特に根付いています。

岩手県遠野市は、ジンギスカン専門店の数が人口比で多いことで知られており、「ジンギスカンの町」として食文化が定着しています。当店「じんぎすかん あんべ」も遠野市内でラム肉・マトン肉を中心に扱う食肉専門店として営業しており、ジンギスカン用に適した肉の提供に取り組んでいます。

ジンギスカン以外では、ラムチョップ(骨付きのあばら肉)をグリルで焼く食べ方や、スープや煮込み料理に使う方法もあります。近年は家庭でのラム肉料理の幅も広がりつつあります。

まとめ:ラムは「生後12か月未満の羊の肉」

ここまでの内容を整理します。

  • ラムは羊の肉である
  • 月齢による区分では生後12か月未満のものをラムと呼ぶ
  • 生後24か月以上はマトンと区別される
  • ラムはマトンに比べてやわらかく、においが少ない傾向がある
  • 日本ではジンギスカンの材料として広く使われている
  • 流通する多くはオーストラリア・ニュージーランド産

「ラムは何の肉?」という問いに対しては、「羊の肉のうち、生後12か月未満のもの」というのが正確な答えです。牛や豚とは異なる風味と食感を持つラム肉は、正しく理解したうえで食卓に取り入れると、より一層楽しめる食材です。当店では産地・部位・月齢に関するご質問にも対応していますので、お気軽にご相談ください。

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