2026年7月22日 「羊」と「ラム」は何が違う?羊肉の種類・呼び名・選び方を食肉専門店が整理して解説

「羊」と「ラム」は何が違う?羊肉の種類・呼び名・選び方を食肉専門店が整理して解説

スーパーや精肉店で「ラム」と表示された肉を見かけたとき、「羊肉とどう違うの?」と疑問に思ったことはないでしょうか。実は「ラム」は羊肉の一種であり、羊肉全体の中の分類のひとつです。この記事では、「羊」と「ラム」という言葉の関係性を起点に、羊肉の種類・月齢による分類・産地の違い・選び方まで、食肉専門店の視点から整理して解説します。

「羊肉」と「ラム」の関係を整理する

まず大前提として、「ラム」は羊肉の中のカテゴリのひとつです。「羊肉」という言葉は、羊(Ovis aries)を食用にした肉の総称であり、その中を月齢(生後からの経過時間)で区分したときに出てくる呼び名が「ラム」や「マトン」です。

つまり、「羊とラムは別の動物ではないか?」という疑問に対する答えは「同じ動物、異なる分類」です。羊という種の中で、と畜時の月齢によって呼び名が変わる仕組みになっています。

月齢による羊肉の分類

日本国内の食肉流通において、羊肉はおおむね以下のように月齢で分類されています。

ラム(lamb)

生後12か月未満の子羊の肉を指します。肉質はやわらかく、脂肪の融点が比較的低いため口溶けが良いのが特徴です。羊肉特有のクセが少なく、羊肉初心者にも食べやすいとされています。日本国内で流通する羊肉の多くはラムであり、ジンギスカンをはじめとした料理に広く使われています。

マトン(mutton)

生後24か月以上(2歳以上)の成羊の肉を指します。肉の色は赤みが強く、脂肪分が多くなる傾向があります。羊肉特有の風味が強まるため、好みが分かれますが、その濃厚な旨味を好む方も多くいます。カレーや煮込み料理など、長時間加熱する料理との相性が良い部位が多いのも特徴です。

ホゲット(hogget)

生後12か月以上24か月未満の羊の肉で、ラムとマトンの中間に位置する分類です。日本国内ではホゲットという呼称はあまり一般的ではなく、流通上は「ラム」または「マトン」に含まれて扱われるケースが多いです。

産地による違いも押さえておこう

羊肉の味や品質は、月齢だけでなく産地・品種・飼育環境によっても大きく変わります。日本で流通する羊肉の主な産地と特徴を見ておきましょう。

オーストラリア産

日本に輸入される羊肉のなかで最も流通量が多い産地のひとつです。広大な牧草地で放牧されて育ったメリノ種などが多く、品質が安定しています。冷凍・チルド両方の形態で輸入されており、スーパーや業務用食材店など幅広いルートで入手できます。

ニュージーランド産

オーストラリア産と並んで日本への主要輸入国のひとつです。牧草主体の飼育が多く、肉の色や風味にオーストラリア産とは若干の違いが出ることもあります。ラムの品質が安定しており、精肉店や飲食店での使用実績も豊富です。

国産(北海道など)

国内で生産される羊肉の多くは北海道産です。流通量は輸入品に比べて少なく、希少性が高いため価格も高めになる傾向があります。新鮮な状態で流通することが多く、生ラムとして提供されることもあります。飼育農家ごとに品種や飼育方法が異なるため、味わいの個性が出やすいのも特徴です。

羊肉の主な部位と特徴

羊肉は部位によって食感・味わいが大きく異なります。購入時の参考になるよう、代表的な部位を整理します。

  • ラムチョップ(骨つきロース):骨ごと調理するため見た目にも存在感があり、グリルや鉄板焼きに向いています。脂の甘みとやわらかい肉質が楽しめる部位です。
  • ショルダー(肩肉):やや筋が多いですが、旨味が強く、煮込み料理やじっくり火を入れる調理に向いています。スライスすればジンギスカンにも使えます。
  • ロース:きめ細かく、やわらかい肉質が特徴です。スライスしてジンギスカンや焼き肉に使われることが多い部位です。
  • もも肉:赤身が多く、脂肪が少ない部位です。カロリーを抑えたい場合や、ステーキ・ロースト向きです。

「羊」「ラム」を選ぶときに確認したいポイント

実際に購入する場面では、以下の点を確認すると自分の用途に合った羊肉を選びやすくなります。

表示ラベルで「月齢・産地・部位」を確認する

精肉の販売ラベルには、原産地・部位名・種類(ラム・マトンなど)が記載されています。初めて羊肉を試す場合は「ラム」表記のものを選ぶと、クセが少なく食べやすい傾向にあります。産地については、オーストラリア産・ニュージーランド産・国産のいずれかが多いので、価格帯と用途に応じて選択してください。

冷凍か生(チルド)かを確認する

羊肉は冷凍状態で流通するものが多いですが、生(チルド)状態のものも一部流通しています。一般的に生の状態のものは肉の繊維がダメージを受けていないため、食感・風味ともに高い評価を受けることが多いです。ただし保存期間が短い点には注意が必要です。冷凍品は保存性が高く、家庭でストックするのに向いています。

用途に合った部位・形状を選ぶ

ジンギスカンや焼き肉にするならスライス状のロース・ショルダー、ステーキやグリルにするならラムチョップやもも肉のブロック、煮込みや炒め物にするならショルダーやひき肉など、料理の用途と部位・形状を合わせて選ぶのが基本です。

あんべからひとこと

岩手県遠野市で羊肉・ジンギスカンを専門に扱う「じんぎすかん あんべ」では、羊肉の選び方や調理についてのご相談も承っています。「ラムとマトンどちらが向いているか」「部位の特徴を教えてほしい」といった疑問は、購入前にぜひお気軽にお問い合わせください。産地・部位・用途に合わせたご提案をいたします。

羊肉は「難しそう」というイメージを持たれることもありますが、基本的な知識を整理しておくだけで選ぶ際の迷いが大きく減ります。この記事が羊肉選びの第一歩として役立てば幸いです。

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