ラム肉って何の肉?動物の種類・月齢の定義・マトンとの違いを食肉専門店がわかりやすく解説

「ラム肉って、結局どんな動物の肉なの?」「マトンとは何が違うの?」——スーパーや焼肉店のメニューで目にする機会が増えたものの、意外と正確に説明できる方は少ないのではないでしょうか。
岩手県遠野市でジンギスカン専門の食肉店を営む私たちが、ラム肉の基本をできるだけわかりやすく解説します。動物の種類から月齢の定義、マトンとの違い、さらに味や栄養の特徴まで、疑問をひとつひとつ丁寧にひも解いていきます。
ラム肉は「羊の肉」——ただし生後12か月未満のもの
ラム肉とは、羊(学名:Ovis aries)の肉のことです。ただし、羊の肉なら何でも「ラム」と呼ぶわけではありません。業界では一般的に生後12か月未満の子羊から得られる肉をラム(Lamb)と定義しています。
この月齢の区切りは、日本農林規格(JAS)や国際的な畜産分類においても広く用いられている基準です。12か月を超えると「ホゲット」や「マトン」といった別の呼称が使われるようになります。
「ラム」という言葉の意味
英語の「Lamb」はもともと「子羊」そのものを指す単語で、肉としての意味と動物としての意味を兼ねています。日本語では「子羊」と「ラム肉」のどちらも同じ英単語に由来しているため、「ラム=子羊の肉」と覚えておくと混乱しにくいでしょう。
ラム・ホゲット・マトン——月齢による3つの区分
羊の肉は月齢によって呼び名が変わります。それぞれの違いを整理しておきましょう。
- ラム(Lamb):生後12か月未満。肉質はやわらかく、脂肪が白くクセが少ない。
- ホゲット(Hogget):生後12か月以上24か月未満。ラムとマトンの中間的な風味と硬さを持つ。
- マトン(Mutton):生後24か月以上。肉質は締まり、独特の濃い風味(羊臭さ)がある。
日本の市場ではホゲットはあまり流通しておらず、「ラム」か「マトン」の二択で販売されているケースがほとんどです。ホゲットはオーストラリアやニュージーランドなど羊肉文化が根付いた国でよく見られる区分です。
ラム肉の味と見た目の特徴
色・脂・香り
ラム肉の赤身は鮮やかなピンクがかった赤色をしており、脂肪は白くきめが細かいのが特徴です。月齢が若い分、筋繊維も細かく、やわらかい口当たりが楽しめます。
羊肉特有の香り(ラムフレーバー)はラムにも存在しますが、マトンと比べると穏やかです。この香りの主成分のひとつは4-メチルオクタン酸などの分岐鎖脂肪酸で、月齢が上がるにつれて増加するとされています。そのため、「羊肉の独特な香りが苦手」という方でも、ラム肉なら食べやすいと感じるケースが多くあります。
加熱したときの変化
ラム肉は加熱すると脂が溶け出し、甘みのある香ばしい風味が広がります。ジンギスカンのように高温で焼く調理法では、表面に焦げ目がつきながらも内部はジューシーに仕上がります。過度な加熱は硬さにつながるため、中心部がやや赤みを残す程度(ミディアムレア〜ミディアム)が食感を最大限に活かせると言われています。
ラム肉の主な産地
日本で流通しているラム肉の多くは輸入品です。主要な産地は以下のとおりです。
- オーストラリア:日本への羊肉輸入量で最大のシェアを占める。広大な牧草地で放牧飼育されたグラスフェッド(牧草飼育)が中心。
- ニュージーランド:羊の飼育頭数が国内人口を大きく上回るほど盛んな羊肉生産国。クリーンな環境で育てられた品質の高い肉が特徴。
- 国産(アイスランド・モンゴル原産の血統を含む):北海道を中心に国内でも羊の飼育が行われており、北海道産ラム肉も一部流通している。
農林水産省の貿易統計によると、日本への羊肉輸入量のうちオーストラリア産とニュージーランド産で大部分を占めており、安定した供給体制が確立されています。
ラム肉の主な栄養素
ラム肉は栄養面でも優れた特性を持っています。文部科学省の食品成分データベース(八訂)によると、ラム肉(もも・生)100gあたりの主な栄養素は以下のとおりです。
- たんぱく質:約20g。筋肉の維持・形成に欠かせない必須アミノ酸をバランスよく含む。
- 鉄分:約1.8mg(ヘム鉄)。植物性食品に含まれる非ヘム鉄より吸収率が高い。
- 亜鉛:約3.0mg。免疫機能や皮膚の健康維持に関わるミネラル。
- L-カルニチン:羊肉は牛肉・豚肉と比較してもL-カルニチンを豊富に含むとされており、脂肪酸の代謝に関与する成分として注目されています。
脂質の面では、部位によって大きく異なりますが、もも肉などの赤身部位は比較的脂肪分が少なく、ヘルシーな肉として選ばれることも多いです。
ラム肉はどんな料理に使われる?
ラム肉はその風味とやわらかさを活かして、さまざまな料理に使われます。日本では特に以下の料理で親しまれています。
- ジンギスカン:北海道・岩手県遠野市などで古くから食べられてきた、ラムやマトンを野菜と一緒に焼く日本独自の鍋料理。
- 焼き肉・BBQ:ラムチョップ(骨付きのあばら肉)をそのまま焼く食べ方は、見た目のインパクトもあり人気が高い。
- 煮込み料理:カレーやシチューに使うことで、肉の旨みがスープに溶け出し深みのある味わいになる。
- 串焼き・ケバブ:中東・中央アジア料理を中心に、ミンチにしたラム肉を串に刺して焼くケバブは世界的に広く食べられている。
まとめ:ラム肉は「生後12か月未満の子羊の肉」
ラム肉とは、羊を動物の種類とし、生後12か月未満の子羊から得られる肉のことです。マトン(生後24か月以上)と比べてやわらかく、羊肉特有の香りが穏やかなため、初めて羊肉を食べる方にも入りやすい食材です。
たんぱく質・鉄分・亜鉛・L-カルニチンなど栄養面でも注目される食材であり、ジンギスカンをはじめとするさまざまな料理で活用できます。産地はオーストラリアやニュージーランド産が中心で、日本でも比較的手に入れやすい輸入肉のひとつです。
岩手県遠野市の「じんぎすかん あんべ」では、厳選したラム肉・マトン肉を取り扱っております。ジンギスカン用の味付き肉から生ラムまで、羊肉に関するご質問はお気軽にお問い合わせください。
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